🔍

← 判定辞書トップ / テクニカル指標

RSIは勝てるのか ── 16年検証の判定

× でたらめと区別つかず

📜 1978年、J・ウェルズ・ワイルダーが著書で発表。コンピュータ普及前に手計算で運用できるよう設計された、テクニカル分析の金字塔です。

結論

16年・6通貨・コスト控除後の一括検証で、RSIの売買シグナル(30/70の逆張り等)は「でたらめと区別がつかない」判定でした。36指標を同じ土俵で検証し、生き残ったのは3つだけ ── RSIはその中に入っていません。

📈 当ラボの実測
36指標のプラス率ランキングで57%(凍結期間にプラスを残した選抜設定の割合)。半分強がプラス ── コイン投げよりわずかに上に見えますが、でたらめ対照と統計的に区別できませんでした。

⏳ いつ・どこで効いたか(3つの足×銘柄別の実測)

各マスは「その時代より前のデータだけで選抜した上位10設定のうち、その時代のOOS(選抜に使っていない期間)でプラスだった本数」。10/10なら上位設定が全部プラス、0/10なら全部マイナス。下の小さい数字は上位設定のOOS取引数の中央値です(設定ごとに取引数は異なり、検証・OOSとも10回未満の設定は選抜前に足切り済み。それでも少ないマスほど偶然が混ざります)。左=2010年代(OOS 2015-19)・右=2020年代(OOS 2023-26)。

銘柄1時間足4時間足日足
2010年代2020年代2010年代2020年代2010年代2020年代
ドル円4/10
取引78
9/10
取引234
10/10
取引78
3/10
取引31
6/10
取引41
4/10
取引21
ユーロ円7/10
取引71
6/10
取引77
1/10
取引188
10/10
取引15
5/10
取引31
1/10
取引14
ポンド円0/10
取引64
7/10
取引55
2/10
取引54
9/10
取引12
0/10
取引24
10/10
取引11
ユーロドル10/10
取引236
0/10
取引49
7/10
取引30
0/10
取引28
10/10
取引26
3/10
取引18
ポンドドル3/10
取引70
9/10
取引33
4/10
取引51
5/10
取引27
7/10
取引29
4/10
取引18
豪ドル/ドル10/10
取引36
10/10
取引24
10/10
取引39
10/10
取引35
10/10
取引36
9/10
取引14
金(ゴールド)5/10
取引94
0/10
取引34
2/10
取引27
5/10
取引81
4/10
取引40
3/10
取引64

使えるとしたら ── 唯一の一貫は豪ドル/ドルの逆張りで、3つの足×両年代の6マス中5つが10/10・残り1つが9/10。対照的にユーロドルは2010年代に強く(1時間足10/10)、2020年代は全足で崩壊。「RSIが効くか」は、通貨と足を決めてからでないと答えられない質問だ、というのが実測です。

相場つき別(4時間足・凍結期間の1トレード平均pips)

銘柄トレンドレンジ高ボラ低ボラ
ドル円-9.7-12.2-15.4
ユーロ円+99.0+45.1
ポンド円+30.8-20.9-35.9-38.2
ユーロドル-9.0-16.9-30.6-10.0
ポンドドル-10.6+33.1-2.6
豪ドル/ドル+3.6+6.7-3.8

※正直な注意: ①この分解は結果を後から条件で切った記述統計であり、事前に予告された戦略ではありません。細かく切るほど偶然の濃淡も混ざります(データスヌーピング)。②損切り・利確・保有本数の探索範囲は4時間足を想定した値のため、日足と金では相性の悪さが数字を押し下げている可能性があります(切り分けの確認はしていますが、完全には分離できません)。③金は1pips=0.1ドル・往復コスト4.0pips(当ラボの実測3.5pipsより保守側)・データは2026年6月まで。④相場つき別の表は4時間足の計測(金は対象外)。時代別の表とは別の計測のため、直接の突き合わせはできません。観測が少ないセルは「—」表示。

なお、この判定は上記の標準的な設定の範囲で測ったもので、あなたの使っている設定に合わせた調整はしていません。自分の期間・閾値・損切り幅で確かめたい場合は、まぐれ判定つきバックテスター(無料)でそのまま試せます ── 効くかどうかを決めるのは、この表ではなくあなたの検証です。

なぜ「効く」ように見えるのか

「買われすぎ=下がる」が直感に合うから効いて見えます。しかし強いトレンドではRSIは70に張り付いたまま何週間も上がり続けます。後からチャートを見ると「効いた場面」だけが目に入る ── これが生存者バイアスです。

よくある疑問

Q. 期間を14から変えれば勝てる?

A. パラメータを変えて過去に合う設定を探す行為自体が「データスヌーピング」で、過去専用の設定ができるだけです。当ラボの総当たり検証でも、生き残る設定は偶然の期待と同数でした。

Q. じゃあRSIは見る意味がない?

A. 「予測」には使えませんが「状態の把握」には使えます。今どれくらい行き過ぎているかを見る体温計としての使い方です。

それでも使うなら

単体シグナルとしては非推奨。状態把握なら無料の「相場の体温計」で毎日自動計算しています。
関連ツール: 🌡️ 相場の体温計(状態把握なら毎日自動計算) / 指標の見方はRSIの解説ページ

🔬 検証条件(実際の検証コードから転記)

対象: 6通貨ペア(ドル円・ユーロドル・ポンド円・ユーロ円・ポンドドル・豪ドル/米ドル)×4時間足×約17年分
手順: パラメータの格子からランダムサーチ4,000試行で探索 → 訓練期間(〜2018年末)と検証期間(〜2022年末)で選抜 → 成績は凍結期間(2023年〜)のみで評価(選抜に使った期間の成績は使わない)
コスト: 全取引から往復1.0pipsを控除 / 各取引にレジームタグ(トレンド/レンジ=ADX・高/低ボラ=ATR)を付与
この指標の探索格子: 期間{7,14,21}×売られすぎ閾値{20,25,30,35}×買われすぎ閾値{65,70,75,80}の格子を探索(逆張り・順張り両方向)

🔬 この判定の「なぜ」を、証拠ごと

全手法の判定一覧は判定辞書トップスコアボードに。検証の中身(データ・手順・落とし穴)は note の検証記事群でどうぞ。

全手法スコアボード(note・無料) →

判定は当ラボの実検証(過去データ)に基づく要約であり、将来の結果を保証せず、特定商品・手法の断定的否定でもありません。本ページは教育目的であり、投資助言ではありません。