🔍

← 判定辞書トップ / テクニカル指標

パラボリックSARは勝てるのか ── 16年検証の判定

× でたらめと区別つかず

📜 RSIと同じワイルダーの発明(1978年)。「時間とともに追いかける損切り」という発想は、今も出口設計に影響を与えています。

結論

ドテン売買の代表格ですが、36指標の一括検証で生き残れませんでした(生き残りは3つだけ・本指標は該当せず)。

📈 当ラボの実測
36指標検証で一番の皮肉がここに ── プラス率78%で堂々の2位。それでも全通貨一貫性などの生存基準を満たせず、生き残り3組には入れませんでした。「プラス率が高い=本物」ではない、の生きた見本です。

⏳ いつ・どこで効いたか(3つの足×銘柄別の実測)

各マスは「その時代より前のデータだけで選抜した上位10設定のうち、その時代のOOS(選抜に使っていない期間)でプラスだった本数」。10/10なら上位設定が全部プラス、0/10なら全部マイナス。下の小さい数字は上位設定のOOS取引数の中央値です(設定ごとに取引数は異なり、検証・OOSとも10回未満の設定は選抜前に足切り済み。それでも少ないマスほど偶然が混ざります)。左=2010年代(OOS 2015-19)・右=2020年代(OOS 2023-26)。

銘柄1時間足4時間足日足
2010年代2020年代2010年代2020年代2010年代2020年代
ドル円5/5
取引784
8/10
取引714
2/10
取引452
10/10
取引244
10/10
取引126
0/10
取引55
ユーロ円0/10
取引698
1/10
取引1038
7/10
取引412
10/10
取引181
0/10
取引69
0/10
取引21
ポンド円10/10
取引2203
0/10
取引524
0/10
取引133
10/10
取引225
0/10
取引45
10/10
取引20
ユーロドル2/10
取引842
5/10
取引397
0/10
取引255
4/10
取引118
2/10
取引106
0/10
取引24
ポンドドル0/10
取引905
0/9
取引490
10/10
取引142
10/10
取引129
0/10
取引133
0/10
取引44
豪ドル/ドル0/10
取引721
0/10
取引381
1/10
取引233
10/10
取引97
10/10
取引41
0/10
取引46
金(ゴールド)0/10
取引770
0/10
取引157
0/10
取引124
10/10
取引28
0/10
取引46

使えるとしたら ── 目を引くのは4時間足の2020年代で、7銘柄中5つ(ドル円・ユーロ円・ポンド円・ポンドドル・豪ドル)が10/10。ただし同じ銘柄の日足は2010年代10/10→2020年代0/10の反転が3件と真逆です。「どの足で使うか」で結論が裏返る指標の代表例でした。

相場つき別(4時間足・凍結期間の1トレード平均pips)

銘柄トレンドレンジ高ボラ低ボラ
ドル円+4.0+6.2+5.7-6.8
ユーロ円+1.3+0.1+2.7-2.9
ポンド円+5.1+16.7+11.8+11.8
ユーロドル+4.8-15.6+12.9-6.7
ポンドドル+9.0-2.9-20.7+6.1
豪ドル/ドル-1.5+1.4+4.9+0.3

※正直な注意: ①この分解は結果を後から条件で切った記述統計であり、事前に予告された戦略ではありません。細かく切るほど偶然の濃淡も混ざります(データスヌーピング)。②損切り・利確・保有本数の探索範囲は4時間足を想定した値のため、日足と金では相性の悪さが数字を押し下げている可能性があります(切り分けの確認はしていますが、完全には分離できません)。③金は1pips=0.1ドル・往復コスト4.0pips(当ラボの実測3.5pipsより保守側)・データは2026年6月まで。④相場つき別の表は4時間足の計測(金は対象外)。時代別の表とは別の計測のため、直接の突き合わせはできません。観測が少ないセルは「—」表示。

なお、この判定は上記の標準的な設定の範囲で測ったもので、あなたの使っている設定に合わせた調整はしていません。自分の期間・閾値・損切り幅で確かめたい場合は、まぐれ判定つきバックテスター(無料)でそのまま試せます ── 効くかどうかを決めるのは、この表ではなくあなたの検証です。

なぜ「効く」ように見えるのか

常にポジションを持つドテン型は、レンジ相場で往復ビンタを受け続けます。トレンド期の利益をレンジ期が食い尽くす構造です。

よくある疑問

Q. 加速因子を調整すれば?

A. パラメータ探索は過去専用の設定を生むだけ、が検証の結論です。

Q. トレンドフィルタと組み合わせれば?

A. 「今がトレンドか」を事前に知る確かな方法がない、が根本の壁です。

それでも使うなら

単体シグナルとしては非推奨。
関連ツール: 🌡️ 相場の体温計(状態把握なら毎日自動計算) / 指標の見方はパラボリックSARの解説ページ

🔬 検証条件(実際の検証コードから転記)

対象: 6通貨ペア(ドル円・ユーロドル・ポンド円・ユーロ円・ポンドドル・豪ドル/米ドル)×4時間足×約17年分
手順: パラメータの格子からランダムサーチ4,000試行で探索 → 訓練期間(〜2018年末)と検証期間(〜2022年末)で選抜 → 成績は凍結期間(2023年〜)のみで評価(選抜に使った期間の成績は使わない)
コスト: 全取引から往復1.0pipsを控除 / 各取引にレジームタグ(トレンド/レンジ=ADX・高/低ボラ=ATR)を付与

🔬 この判定の「なぜ」を、証拠ごと

全手法の判定一覧は判定辞書トップスコアボードに。検証の中身(データ・手順・落とし穴)は note の検証記事群でどうぞ。

全手法スコアボード(note・無料) →

判定は当ラボの実検証(過去データ)に基づく要約であり、将来の結果を保証せず、特定商品・手法の断定的否定でもありません。本ページは教育目的であり、投資助言ではありません。